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2012年 04月 19日 ( 1 )

森達也

 先日、久しぶりに図書館へ行き、本を借りた。
農繁期に片足突っ込んでいるのに、面白くてついつい夜更かし。
森達也「豊かで複雑な、僕達のこの世界」
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「A(オウム真理教)]や「放送禁止歌」といったタブーを撮り続けているドキュメンタリー
作家。私が社会に対して疑問を感じている事を、いつもスパッと解きほぐしてくれる。

「百人が百人、同じ言葉を発したり同じ方向を見ている時は、普通の状態じゃない…」、
つまり「百人が百人口を揃えて黒と断言するのは、何か不自然な力学が働いていて、
少なくとも十人ぐらいが白じゃないかなと首を傾げるのが普通」だという。
つまり、そこには主語が存在しないという事。「許さない」でなくて「許せない」、一人称
単数でなくて「われわれ」とか「社会」とか「国家」という曖昧で大きな三人称複数で無
自覚に語られる。そんな共同体意識に自分を重ね合わせる事は、居心地良いし、考
えなくていい。でもそれはかなり危険な事だと思う。

 ではそういう状況に対抗し得る法は?
一つは共同体に異物を入れる事。どんな素晴らしい共同体でも同質ばかりだと、集団
心理で歯止めが利かなくなる。厄介な存在が必要。田舎で言えば、変わり者や他所者。
もう一つは、毒は毒を持って制す。それはユーモアを含むアイロニー(皮肉)。正攻法
では決して打ち破れない壁。
 まさに「放送禁止歌」の世界こそ社会を変えてくれる!
岡林信康の「ヘライデ」と高田渡の「自衛隊に入ろう」は絶品。
by ut9atbun61 | 2012-04-19 23:34 | | Comments(0)