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旅の記憶 鳴子温泉


鳴子温泉には14時過ぎに到着。山間の小さな温泉地という感じ。
車窓から気になる建物を発見、『農民の家』という茶色いビル。

中々素敵な名前。少し傷んでて今は使用されてない様子。調べてみると以下のような悲しい現実が。

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180301_12048.html

温泉専門農協なんて面白過ぎる!

私の泊まる高友旅館は実は鳴子御殿湯という隣駅、なので30分ほどぶらぶ
ら散策しながら向かう。古くから栄えたと思われる鳴子温泉も、時代に取
り残された感あって、廃墟宿が多い。
用水路からも湯気が立ち上り、ほん
のり硫黄臭に包まれると、温泉らしさがあっていいのだが…。

そして本日の宿、高友旅館。大正時代に建てられた(昭和に増築)老舗旅
館。ここは、アナキスト大杉栄と菅野スガ(とその甥)を虐殺したとされる甘粕大尉が潜伏していた宿でもある。

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入口はこんな感じ、寅さんが帳場からひょいと顔出しそうな雰囲気。受付のおじちゃんも気の好さそうな人で、

「今日はお客さんはおたく一人ですから、家族風呂もご自由にどうぞ。」

ここは源泉(かけ流し)4つあるとかで、様々な湯が楽しめる。

1番の売りは黒湯(混浴)。薄黒くクレオソート臭(正露丸臭)がきつくて熱めの湯。

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湯治客には評判らしく、体調が良くなっただの、肩腰の痛みがとれたなど、

口コミが貼り出されている。その一方でのぼせやすく、長時間浸かっていると
一時的に具合が悪くなる場合があるという話もあるくらいだ。

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家族風呂は硫黄成分が多く、湯の花(白いカス)が大量に入っててとにかく熱い。
水を入れながら入る。他にも、炭酸成分が多いラムネ湯とかすかな硫黄臭の普通
の温泉湯も楽しめる。
12時間おきに風呂に入ったので体はふやけまくり。
また今回は素泊まり湯治部屋という事で台所付き。
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しかし、年季が入ってるせいかヤカンはともかくとして鍋・フライパンはお世辞
でも綺麗とはいえない。また冷蔵庫は錆びだらけ、保温ポットも何故か半端に水が入って
いる。口コミにはかなり厳しい意見もあったが、私はそれ程気にならない。

近所で飲食物を調達して、簡単な調理をして、独り宴会を楽しんだ。
しかし静寂が宿を包み込み、夜が更けていくにつれ徐々に不安が増してきた。
宿には私一人、宿の人も近所の自宅に戻るようで、夜間連絡先の貼り紙がある。
ひょっとしたら、呼べば甘粕大尉がひょっこり出てきそうである。
部屋から出ると、廊下は全て照明が落ちて、非常灯がぼーっと浮かび上がる。

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その上、時折どこかの扉が開くような、ギィーという軋み音が聞こえてくる。
その気になって廊下を歩くと…、私の部屋の前には「在室」という札がかかっており、
他の部屋には「不在」という札が。しかし何故か端の部屋に「在室」の札が!!
耳を澄ましても何の音もしない。流石に黒湯上りにもかかわらず、寒気がした。
結局、日が変わるまで風呂に入り続け、寝酒を頂いたら朝までぐっすり。
朝の眩しい光が部屋に差し込んでくると、昨夜の不気味さも全く気にならなくなり、
宿のおじちゃんに「素晴らしいお風呂だったから、また必ず来る」と約束して、
朝の陸羽東線に乗り込んだ。
4日目は震災の傷跡が残る気仙沼から石巻に抜け、仙台へ。   つづく



by ut9atbun61 | 2019-03-12 21:31 | 鉄道 | Comments(0)
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