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夕暮れ partⅠ

私の大好きな高田渡の唄に「夕暮れ」(黒田三郎原詩)というのがある。
一度ライブでやってみたいものだが、雰囲気が出せずに言葉が空々しくな
るから出来ない。もう少し日常の年輪を重ねたら、ひょっとしたら…。

 夕暮れの街で 僕は見る 
 自分の場所からはみ出してしまった 多くの人々を
 夕暮れのビアホールで 一人一杯の
 ジョッキを前に 斜めに座る
 その目がこの世の誰とも 交わらない処を
 選ぶそうやってたかだか 30分か1時間
      (中略)
 たそがれがその日の夕暮れと 折り重なるほんのひととき
 そうやってたかだか 30分か1時間

都会の喧騒の中小さな日常をドンピシャ。たかだか世界が素晴らしい!

勿論詩人黒田三郎氏は鋭いのだけど、これを土臭く改編、唄い上げた渡氏
はもっと凄い。更にこれを現在の私の日常に重ねてしまおうと思った。

 男やもめの夕暮れタイム
 ひとまず鍬をうっちゃり 2匹に御機嫌伺い
 私は鎖に引かれて散歩と 犬がしゃれ込む
 いつもの道 いつもの畔 山に陽が隠れんぼ
 夕暮れが封切り それからお気に入りの場所へと
 熱い空の名残り 犬ははしゃぎ 私はボーッ
 涼しい夜風の予感 犬はそわそわ 私はボーッ

さぁ そろそろ帰ろうかな
 そうやってたかだか 10分か15

 野良と仕事の隙間に 入り込むほんのひととき

 そうやってたかだか 10分か15


忙しすぎる時の“たかだか”はくすんだ宝石のようだ。
と感傷に浸る余裕もなく鍬を草刈り機に持ち替えて、

暗闇がやって来るまで勝負に出掛けた。


 
 

by ut9atbun61 | 2018-08-06 23:07 | 田舎
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