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むのたけじ 哀悼 

伝説のジャーナリストむのたけじさん、101歳の大往生。
自由を追い求め、言葉を紡ぐという営みを最も大切にしてきた人だった。
私は、この方が大好きで大好きでしょうがなかった。
以前もブログの中で礼賛しまくっている。

「生物を飼わない農家は、農家じゃない。雑草の生えない農地は、農地じゃない。物言わぬ農民は、農民じゃない。歌を歌わぬ農民は、もっと農民じゃない。人が歌わなきゃ、土も歌わぬ。歌わぬ土に、良い成りものができるわけがない。」
私はこの詩が一番好きで、最近これを基に、唄を作ってみたところだった。

早速詞集『たいまつ』を読み返す。すると現代への遺言がちゃんと書いてあるじゃないか!
きんぺい君やらパクちゃんやらあべ君に是非聞かせてあげたい。

「陸・海・空の領有を主張して他国と対立している国々は、教師たちである。人間達を根元からダメにした根元の原因は、所有の欲望からきていることを教えつつある偉大な教師たちである。故にそれら諸国家には、身動きできない重さの巨大な勲章を与え、じっと座っていてもらわねばならぬ。一地球のものは地球に返せ。」(2000年頃の詩)

単に目くじらたててサヨク的言動を繰り返すわけではない。
痛烈なアイロニーで斬りすて御免てな訳。これぞ雑草ジャーナリスト魂。

「ボロを旗として一ものかね本位の世づくりは、心の柱を狂わせる。見つめればどれも砂の城。賑わう中身に何もない。…けれど、僕らは嘆かない。みのれぬ種子がみのらぬは、土はまともと物語る。土から出直す合言葉、ボロをかざしてよみがえる。夜明けに高くボロの旗。金ぴか言葉は二枚舌、ニシキノミハタはうそをつく。これまで一度も民衆に、幸せ運んだことがない。(中略)けれどぼくらはくじけない。いま民衆が巻き起こす、独立独歩、自主の風。達磨も立って歩き出す。さきがけてゆくボロの旗、世直し招くボロの旗。」

窮屈な時代と言われる昨今、こんな人があちこち出てきてほしい。
いや私も在野でむのさんのような生き方をしたい一人だ!
by ut9atbun61 | 2016-08-21 22:14
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