テレビ三昧
昨日、久しぶりにテレビのはしごをした。
日頃子供達に口うるさく言っているだけに、この日だけは猫なで声を上げる。 NHKで夜9時からイッセー尾形主役のドラマ。 村上龍の小説だとかあったが、どう見ても山谷版『真夜中のカウボーイ』。 最近、芝居をやらないイッセー尾形を久し振りに拝めて、良かった! 渋い顔して佇む姿、何処にでもいる平均日本人を演じたら誰も敵うまい。 早く一人芝居を再開して欲しい。 それから夜11時からは、ETVタイム! 「日本人は何をめざしてきたのか 知の巨人たち」 最も尊敬してる鶴見俊輔さんの特集。御年90を越す思想家。 常に一般人の視点から社会を見つめ続けた人。 とても分かり易い言葉、謙虚な姿勢、異なる意見者との対話重視を貫いた人。 「真理というのは方向感覚が重要。間違いを辿っていくと真理に到達する。それは消 極的な能力であって、だから間違いとか失敗というものを忘れてしまってはいけない」 (そういう感じの発言だったと思う) 正義とか愛だとか、手っ取り早くて曖昧模糊としたものを有難がる現代の風潮に、警 鐘を鳴らしている言葉であろう。そういう意味で急がばまわれの思想は、確実に平和 を築いていける。勿論日本だけでなく、米・中・中東他、と世界共通テーマとなるだろう。 また、彼らが起こした「声なき声の会」や「べ兵連」運動は、今のネットから広がりつつあ る社会運動に受け継がれている。ネットを通じて凄い盛り上がりが伝わってくる。 ただ、当時に比べて安易に情報を取得できる分、運動体として長続きするかどうか、社 会変革の運動として自身が覚悟とリスクを認識しているか、要らぬ心配をしてしまう。 あと、鶴見さん(『思想の科学』)を言い得て妙だったのは、「彼はメダカのがっこうだ。」 つまり“どっちが生徒か先生か~♪”分からないほど自由で分け隔てが無い、という。 そこが人間的魅力で、左っぽくてて左翼足り得ないところなのかもしれない。 あとちょっとだけでも生きていて、言葉を吐いて欲しい人だな、と思う。 ついでにもう一つ。私の最も好きな俳優の一人すまけいさんが去年、亡くなっていた 事を知った。ショック過ぎる…。齢と共に味が出て、イッセー尾形同様、存在だけでもい いという人。井上ひさしの芝居やドラマ、映画「男はつらいよ」での名演技を見れなくなる のは、ホント、ホント、寂しい…。
by ut9atbun61
| 2014-07-13 23:39
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