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美髯公の結末

 昨日は東出雲町のいまみや工房でトーク&ライブ、なんてこっ恥ずかしい事をやっ
てのけた。美味しいマクロビ(蓮歩さん)に舌鼓、ちょっとのお酒と四方山話、その上
一宿小遣い付。もう至れり尽くせりで、至福の時を過ごさせてもらった。
ただ、あのひと時を除いて…。

往路の途中、大田市のモールに立ち寄った。私は早々に用事を済ませ、車へ戻る。
だがまだ相棒は戻って来ない。仕方ないので窓から手を突っ込んで、開錠。ドアを開
いて体をすべり込ませようとした途端、大音量の警報音がつんざいた。
「誰だ?うるさいな」一瞬何が起こったか分からず。
暫くして冷たい周囲の視線で、どうやらこの車から音を発している事に気付く。
ひょっとして盗難予防ってやつか?
そのうち遠巻きに野次馬が増えてきた。ちょっと焦ってきた。店員が出てきて、こっち
を指差す者も。
その時、ルームミラーに映った自分の顔と眼が合った。それで、思った。
「よし、取りあえずは車から離れよう!」
「くそっ、オレは何にもやってないんだけどな」
と心で叫びながら、小走りで車に背を向ける。そして相棒を探し始めた。
が、いない…いない…。そしてあの音は止まった!

“不審者がドアをこじ開けたはいいが、警報に驚いて慌てて逃げ出す”
その姿が野次馬の脳裏に焼き付けられる。おそらく夕餉の食卓には、彼らは大袈裟
身振り手振りで、自慢げに家族に話しただろう。
「自分が見ていたからさあ、奴は逃げ出したんだ」とか。
結局、何も起こらなかった。哀しきピエロの髭は赤面をも隠してしまった。

夕方、帰宅して、悩みぬいた末、顔にバリカンを当てる…。
来週イベントのバイトが入ってるし、ちょうど衣替え月だからな、丁度いいんだ、と。
フィデル・カストロを夢見たあの勢いは何処へやら。

サッパリ、髪髭短くなって出直しとするか。
by ut9atbun61 | 2014-06-01 21:19 | 田舎
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