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歴史Ⅱ

 先日の教科書問題講演会は内輪的な面はあったものの面白かった。
改めて扶桑社の『新しい日本の歴史』にいちゃもんつける気はないが、歴史学習の在
り方自体を考えさせられる内容だった。

 扶桑社版教科書の特徴は、歴史の事象にキャッチフレーズをつけたり、歴史人物の
ランキング付けをする事。一見、子供達の興味を引き、学習意欲を高める効果がある?
しかし、歴史の連続性をズタズタに裁断し、内容が単純化されて薄っぺらいものになって
しまう。それに加えて、その先に何があるのかさっぱり見えてこない。ただただ面白がって
思考停止に陥っているだけの様な気がする。

 考えてみれば、私も偉そうな事は言えない。
中学生の時、社会が好きになって、ひたすら(特に)歴史に打ち込んだ。もう完全に教科
書から離れて勉強とは呼べなかったけれど。
高校になってから自作の歴史教科書を作り(しかも2冊!)、得意満面としてた。
おかげで他教科の成績悪化につながり、教師と家庭は皆、渋面。
大学では塾講のバイトを始め、英語・国語の評判はよくなかったものの、日本史は好評。
事象や年号を覚え易く、テスト問題が当たるという事で、生徒が通う高校で私の作った虎
の巻がひそかに流通するほどであった。
その自慢の一つが自作の語呂合わせ。
作る作業の楽しさと、試験ですぐに使える気易さと皆からのちやほやで調子乗っていた。
おそらく教わった生徒は、歴史を学んだというより、暗号化されて頭に叩き込まれただけ
に過ぎない。
今でこそ分かるが、そういう作業で決して歴史の体系的・根源的な把握は出来ない。
とっかかりの一手段としては有効であるが、教科書の役割とは余りにもかけ離れている。

キャッチフレーズを好んで、ひたすら自画自賛する教科書。どっかの国の元総理や市長
さんに似てるような…。
by ut9atbun61 | 2012-08-16 22:01
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