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旅紀行 2011 vol.7 ~あきれたJR~

 大震災の前夜。そうとはつゆ知らず、寝台特急「あけぼの」のシングルデラックス
に乗る。ブルートレイン全盛期に少年時代を送った者として、あこがれの部屋。相棒は
6歳未満のため無料!
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どうだと言わんばかりの、昭和の香り漂う豪華な車内。安っぽい照明、年代物のテレビ、
取ってつけたような洗面台付き!
 はしゃぐ私達をよそに、「あけぼの」は定刻発車。早速、パンやおにぎり惣菜に、チーズ
の盛り合わせを広げて、二人宴会。そして何とテレビからは、私の大好きな寅さん映画!!
(しかしビデオの調子が悪いのか、10分程経つとオープニングに戻ってしまう)
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 全ては順調、夢見心地で幸せの船でこっくり漕ぎ始めたその時、「ガシャン!」
突然の衝撃と共に、明りが消える。同時にテレビ・暖房も。そして外のぼんやりした灯り
の隙間を列車は静かに走るのみ。始めは何が起こったのか分からなかった。
そのうち車内放送で、電源車故障のため、次の鷹ノ巣駅で修理する旨を知らされた。
私は少しでも長く乗っておれるのでトラブル大歓迎であったが、読みは見事に外れた。
一時間経っても電気は回復せず、車内も雪の冷気が入り込んでくる始末。そして9時
過ぎに車掌がノックする。
「すみませんお客様、本日の「あけぼの」号は運休する事になりました。…つきましては、
今待たせてある普通電車に乗り替え頂き、秋田駅まで行って下さい。そこで係員が対応
しますので。」
 ここから秋田駅までと言えば…夜11時は過ぎる。しかし文句は言ってられない。渋々
荷物をまとめて「あけぼの」から降りる。しかしあけぼのマーク入りアメニティグッズは
勿論カバンに忍ばせる。
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 秋田行き普通に乗ったはいいが、中々出発しない。すると車内放送が流れる。
「申し訳ありません。まだあけぼの号にお客様が残っておりまして、なかなか乗り換えて
頂けません。現在説得中でございますので、暫くお待ち下さい」
車内はぶつぶつ不平が漏れ、運転手はあからさまに舌打ちする。
「おい、ちょっと待てよ」と言いたくなる。電源車故障で待たされた上に、秋田まで行けと
一方的に言われ、それに従わないと他のお客を煽る言動をする。何様のつもりだろうか?

 それでも30分後に、ようやく出発。特急並みのスピードで秋田に着いたのは、11時前。
相棒は当然夢の中だったが、無理矢理起こして降りる。当然泣きの涙の大嵐。
 何とかなだめながら改札口へ向かうが、ここであけぼの号乗客だけ待てと言われる。
他のお客は急いで通り抜けるが、私達は立ちんぼ。3月の冷たい風まで寒さを置いて
通り過ぎる。お客が全て通ってからようやく払い戻し開始。しかし係員が言うことには、
「まず寝台券・特急券を払い戻しまして、明日の6時発の新幹線の手配をいたします。
ですので、今晩のお宿を案内しますが、お支払いは各自でお願いします。」
当然不満が爆発する。「JRが払うのは当然だろう!」「さんざん待たしてこのざまか!」一部は
もみ合いになる。私も一人だったら詰め寄ったかもしれないが、ここは相棒第一。静かに
行方を見守る。
 しかし12時回っても宿の案内が無い。皆疲れきっている。同じ子供を抱えたお母さん方
も「大変ですね」と言ってくれる。とうとう私も切れてしまった。
「ちょっと、いい加減にしてもらえませんかね!聞いてれば、さっきから暫く、暫くと言ってお
きながら宿も案内してくれない!こっちは小さい子供がいるんだよ!!」
意外なとこから突然の大声に助役らしい人が近寄って来て、
「大変申し訳ありません。只今から案内致します。」と先頭を切って歩き出す。
今さら…、納得いかない。
「初めからこうしてくれりゃいいんですよ。それと言っときますが、明日の朝一の新幹線な
んか無理ですからね。小さい子供抱えて12時過ぎまでうろうろしてたのですから!」と畳
みかけると、「わかりました。一応決まりではそうなっていますが、明日駅でご相談下さい。
なんとかします。」
 腹の虫はおさまらないが、とにかく駅隣接のメトロポリタンホテルに入る。私達は払い戻
し金でホテル代は払えたが、ごろんとシート利用の乗客は3000円ちょっとしか戻らず、
待合室で一夜を明かしたそうだ。何ともひどい対応だ。
 ブルートレイン「あけぼの」が悪いのでなくて、JRの体質に問題があると思う。

 しかし、熱いシャワーを浴び、柔らかいキングサイズベッドにめり込んだ時、疲れと共に
怒りも薄れていき、こんな貴重な経験も悪くないなと思いながら意識が薄れていった。

 明日は何が起こるか分からない…本当に。
by ut9atbun61 | 2011-07-24 22:54 | 鉄道 | Comments(2)
Commented by 酷鉄 at 2019-08-24 21:33 x
私もせっかくとれたあけぼののB寝台個室が
強風のため運休と言われ怒り心頭だったことがあります。
もうなくなってしまいましたが
寝台列車末期はしょっちゅう強風で運休だ、雪のため運休だの、日常茶飯事で
いったいなんていう体たらくぶりでしょうね

国鉄の時はこんなことなかったので
公共交通が機能していた時代を懐かしく思いながら
しぶしぶ偽はやぶさで帰ったことを思い出しました。
Commented by ut9atbun61 at 2019-08-31 22:34
そうですよね、国鉄末期は確かにサービスの低下なんて言われてましたが、国鉄という看板を背負って皆さん頑張っておられ、人情味溢れていたことを幼いながら感じてました。JRになってとても無機質になり、旅情が半減した気がします。
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