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選挙の裏側

 選挙というものが近づいている。テレビが騒ぐ。しかしここは全く無縁の世界。
静か。わずか一度、役場の宣伝カーが投票日のお知らせにやってきただけ。
 
 選挙と言えば、学生時代(約10年前)、面白くておいしいバイトをしたことがある。
当時休部状態だった弁論部を友達と再興した頃、突然イベントプロデューサー
なる人物が訪ねてきた。そして、「選挙の応援演説のバイトをしてくれないか。」
という。私達は面白がって即賛成。一週間で12,3か所の集会で5分間喋るとのこと。
演説一回につき、(確か?5万円)。私を含め3人が交替ですることにした。

 選挙区は北関東の激戦区。対立候補は汚職で一度辞任した与党大物政治家。
挑む応援候補は野党(といっても元は与党で壊し屋だった人が作った党)の新人。

 早速現地で打ち合わせ。演説文を作成する“作家の先生”が登場し、私の名前、
経歴を勝手に変える。そして私は「佐藤」になり、〇〇後援会青年部長の肩書を
頂き、〇〇候補の“輝かしい経歴”と“相手候補の犯罪性”を糾弾する文章を覚え
る羽目に。後で聞いたのだが、輝かしい経歴というのは真っ赤な嘘だという。

 実際、200人位の支持者を前にして、ステージ上からアジテーション(演説)を
するのは大変気持ちがいい。最初は緊張して噛んだり、震えたりしたものの、
2回目からは調子に乗って身振り手振りを加えて大袈裟に。さすがに、プロデュ
ーサー氏が、「もうちょっとたどたどしく緊張した感じを出してくれ。余りにも上手に
やるといかん。」と言い出す始末。

 結局私が3回、友人が2回やったところで、突然中止。理由を尋ねても、答えては
くれず、プロデューサー自身も諸事情で手を引くことになったと、高価なレストランで
御馳走になりながら聞いた。

 社会の裏の部分を垣間見えた上に、小遣いを稼げてとてもいい勉強をしたと今でも
思っています。

 
by ut9atbun61 | 2010-07-09 22:31
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