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鶏殺めて人助く の巻

「鶏をさばいて欲しい」という依頼がきた。
10羽と言うので、手が足りない。原始的な男たち3人に声を掛け、手伝って貰う。
彼らへのお礼3羽含め、合計13羽。血抜き、毛抜き、解体と、朝から格闘した。
返り血を浴びた者、手許が狂い手負う者、昼過ぎまでかかって、もうくたくた。

休憩もそこそこに、さて、では鶏肉を届けようと、卵配達がてらに柿木へ。
その途中だった。細い山道を走ってると、道路わきに案山子がひっくり返ってい
る。何でまたこんなところに珍しいものが…と思いつつ、通り過ぎたのだが、‼。
ひょっとして人間??そうに違いない(こんなとこ案山子がいる訳ない)!
だったら間違いなく死んでる?微動だにしてなかったから…。
ハッと我に返って、慌てた。どうしよう、どうしよう。携帯はつながらないし、
戻ってもどうしようもない。そのままスピードを上げて付近の民家を探した。
どこも空家&留守で居ない…。ようやく人の姿を見つけ、大声で呼び、説明。
先方も慌てて119通報して、私と現場に行く事にした。
しかしその時、一抹の不安が頭をよぎった。もし疲れてて幻を見てたんだった
らどうしよう?大ブーイングだな。だから頼むから倒れてて欲しい、なんて訳
の分からぬ願望を抱いたままに向かう。
途中、木部のママ友に出会って、彼女も人が倒れてるのを見つけパニックにな
っていた。取りあえず彼女もつろうて向かった。
すると、現場では、何とおじいちゃんが座り込んで煙草に火をつけているところ
だった!あれ?まるで狐につままれたよう。「大丈夫なんですか!」
と駆け寄ると、「おお、わしゃ大丈夫だ」と言いながらも顔が傷だらけで、出血
もしてる。聞くと、竹を切ってて3m上から真っ逆さまに落ちたそうだ。
救急車と聞いた途端、「わしゃ乗らん」と言い出したが、何とかなだめて待った。
救急車も迷いながら到着し、無事におじいちゃんを受け渡して、一安心。
そしたら、どっと疲れが出て、遅れ遅れで用事を済ませ、帰路についた。

鶏の命を頂き、人の命を見守る…ふざけた人間が今日は妙に信心深くなったとさ。
by ut9atbun61 | 2017-06-28 21:52 | 田舎
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