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つれづれなるままに

 やかましい小悪魔達が里帰りしたこともあって、雪に閉ざされて趣味に走ろうと意気込ん
でたが、雪は思ったほどもでなし。私自身もつい調子に乗って色んな用事を拵えては、一
日充実であっという間に過ぎ、真夜中になっては愉しむ時間の足りない事を憂う。

 今日、ようやく夜が自分のものになった。
薪の暖か炎を横目にパソコンに向かう。 ちょっと現代的だわね?
たまには独り、つれづれ想うこともまた好い。
本日は特定少数に向けての鎮魂歌を。湿ったくさい話になるけど。

先日上京した際、15年ぶりに学生の頃バンド組んでた友人に再会した。私と違い、相変わ
らず爽やか好青年風だったが。彼が私に伝えたのは一人の後輩Hの死だった。
Hは尾崎豊をそのまま当てはめたような人物。いつもTシャツに皮ジャンスタイル。
無茶で我がままで型破りの一匹狼。天性のギター弾きで、人に気合を分けてくれる長短
併せ持つ逸材だった。私とは正反対の質なので、一見ウマが合わぬと思っていたが、「ウ
ミさん、ウミさん」と慕ってきてくれるのでいつの間にかよくつるむようになった。
散々呑みに付き合ったし(私は弱いのに)、夜中の駒沢公園で多数のヤンキー相手に喧
嘩をおっぱじめるし(私はよっぽど逃げようかと思った)、一緒にジムで身体を鍛えたり(私
から誘った)。色んな場面で迷惑を被っても、何故か彼には腹が立たない。きっと、こいつ
はでかい事をやらかすぞと内心思える存在でもあった。
しかし、私が就農で東京を離れてからは縁が切れてそのままに。
その後の事は友人から。相変わらず無茶をしまくっていた様子で、酒の量もうなぎ登り、
手からは離れる事がなかったという。そしてとうとう昨年初頭、腸閉塞で入院してあっとい
う間に死んじゃった…。
彼らしいと言えばそれまでだが、何ともやるせない。ある意味自死と変わりない。
彼はいつも何かと対峙していた。負けまいとしていた。弱さを見せなかった…。
でも20代はそれでよかったんだろう。
しかし歳を重ねると共に周りが皆、妥協や染まっていく中、独り、無駄に抗っていた。
それは必然の事だったのか?私達が何か出来る事はあったんだろうか?
色々想いは巡るが、結局最期の時をどう過ごしたかが頭に浮かびあがると悲しくなる…
それで思考は強制終了。
 あとは折に触れ、彼を思い返すしかない。それは今の自分が出来る最大の事だから。


斎藤哲夫の「悩み多き者よ」。
以前は、なんて臭い歌詞で綺麗ごとだと避けていたが、今ぐっと耳許まで近付いてきた。

私の周りには、今も思い悩んでいる友人達が一杯いる。
彼らは余りにも心優しくて、真面目で、一生懸命。
しかし社会はそんなもんじゃない。汚れてて、ふざけてて、中途半端。
それにまみれていくと一層辛くなっていくばかり。
ポケットに手を突っ込み、斜め向いて生きる、そして眼をそらして卑屈に笑う。
 それがそのうちきっと真っ直ぐに見えてくるはず。
by ut9atbun61 | 2013-01-24 22:21
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