「一週間」 井上ひさし
井上ひさし氏の遺作「一週間」を読破した。
思いとしては一週間で読み終えるつもりだったが、勿体ないという感覚と、夜読書の 時間が取れなかったこともあり、二週間に足が出た。 ソ連捕虜となった主人公の波乱万丈の一週間を描いたもの。笑いあり、涙あり、手に 汗握り、ついでにHなシーンも。横道逸れる事が多々あるも、文体のテンポ良さが集中 力を途切れさせない。 あらすじがまた面白すぎるので、ここで語るのは勿体ない。楽しんで読んでいるうち に、日本の歴史、ソ連の文化まで頭に入ってくるというお得感もある。これこそ著者の モットーである、 「難しいことを易しく,易しいことを深く,深いことを面白く,面白いことを真面目に,真面目なことを愉快に,愉快な事を一層愉快に」 の精神が生きている。 考えてみれば、私と本の出会いは「モッキンポット」シリーズ(風変わり仏人神父との ドタバタ交流)だったし、演劇に興味を持ったのは、「父と暮らせば」(広島の原爆被災)。 農業のきっかけは、「コメの話」。そしてここにやってきたのは、「吉里吉里人」(独立国家を作る話)のおかげ。 という事は、私の動きは全て井上作品の中で小踊りしているだけなのだろう。 最近は井上作品から随分離れていたのだが(理由は単に飽きたと思っていたのだが)、 これを機にもう一度読み直していこうかと考えている。
by ut9atbun61
| 2011-12-05 23:19
| 本
|
カテゴリ
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2022年 12月 2022年 07月 2022年 05月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 more... お気に入りブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||