農閑期の過ごし方
12月から2月にかけて、農閑期を迎える。
近所のおっさん・じいちゃん達の話では、「昔はよく出稼ぎにでたもの」と聞く。道路工 事や都会のハコモノ建設現場など様々。どうやら“休む”という概念は無かったようだ。 それに比べれば、私は怠け者か?大雪をこれ幸いとしてのんびり愉しむ。せいぜい鶏 の世話、雪かき、薪割り、エゴマの選別(inこたつ)を“仕事”に分類してまずやっつける。 あとは、読書か音楽の部屋に引きこもる。たまに外の雪景色を見やってはぼんやりする。 同世代の農業人から見れば「好い身分だ」とからかわれそうだが、決して余裕なわけで はない。子供はいるし日銭を稼がなければ、とは思う。しかし何故か焦りはない。 実際、ここに来てから農閑期に色んなバイトをした。大工・左官、施設園芸の手伝いを 始め、山の下草刈りや木 工所など。すこしぼやっとしている私をよく使ってくれたと思う。 木工所では、大量の木材を短時間で加工するので大変だった。その上刃物を使う仕事 のため厳しい檄を何度も浴びる。にもかかわらず、小指を潰す名誉の負傷、未だに元の 形に戻ってくれない。 その他、結構多かったのが“ちょっとバイト”。近所のじいちゃんばあちゃんから頼まれ るちょっとした雑用。雪かきやトタン修理、牛の世話や電化製品の不具合まで。ひとつこな すと、人伝に次から次へと舞い込んでくる。ちょっとした事なので「(お金)は要らないよ」と といっても「気持ちだ」とか「子供におやつを」と言って押し付けてくるじいちゃんもいた。そ して飲めない酒に呼ばれたり、ご飯を御馳走になったりしてそこで話を聴く。 隣のじいちゃんの秘密や、集落の歴史、戦争の体験談、まさに活きた民俗学! これはいずれ記録して、形に遺そうと考えている。 都市では仕事が無くて深刻になっている一方、田舎には若い労働力が貴重な存在。 そういったアルバイトも、有難い事に向こうからやって来てくれる。その時までは鋭気を 養うつもりにしている。おそらく雪が解け始めると…、忙しくなるだろうな。
by ut9atbun61
| 2011-01-14 22:49
| 田舎
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