名物おっさん
近所の名物おっさんが何やら鍋を持ってやって来た。
「どうだね。あんたもやりんさい。」 と骨付き肉の煮付けを差し出す。「何、これ?」と尋ねると、 ニヤッと笑って、「うちの山で捕れたサルじゃ」。 居合わせたおばさんらは、「気持が悪い」とがやがや。 ゲテモノ好きの私は、躊躇しつつもかぶりついてみた。 硬くて、ぱさぱさしているものの、臭みはない。あまり美味しいもの とは言い難い。 このおっさん、凄いというか、面白いというか、変わっている。 御歳80を超えてなお、元気。朝から晩までごそごそと動き回っている。 或る時は、堤でウナギ捕り。また或る時は、カモを手製の弓矢で狙う。 先日は、一生懸命虫取り網でスズメを捕ろうとしていた。 焼酎を片手に様々な物を食す。私も時々、御相伴に与るのだが。 川魚の刺身(寄生虫がいるので危険と後で知った)、スズメバチの子、 マムシ、イタチ等々。中でも、2人でタヌキの焼き肉をした時は、大変 だった。タヌキのホルモンを焼いたが為に、その後一週間は獣の臭いが 取れなかった。 そのおっさんが言うには、「この世で一番美味しいのは、恐らく人間だ ろう」。理由は色んな物を食べるからだとか。だから2番目は、人間に 最も近いサルという論理らしい。 しかし、改めてその考えが間違っている事が分かった。 それでも、やっぱりこのおっさんは凄い!
by ut9atbun61
| 2010-09-24 21:43
| 田舎
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